学園皇子はメガネ少女に夢中


あっという間だった…


テンパる暇もないほどに


皇子は余裕そうに観客席で騒ぐ女の子たちに手を降ってたけど


自動販売機の前のベンチに座っていた


「はぁ…」

ため息が無意識に零れる


「お疲れ。薫風」


「お疲れさまです」


差し出された缶コーヒーを私が受けとると皇子が横に座り


「薫風、付き合って」


「…どちらにですか?」


「違う。男女交際の方」


「…き、急に言われても!!」

「本当に急かな?薫風は何も気づかなかった」


えぇ…全く


「はい…」


「じゃあこれから教えてく」

「は…?」


「拒否権はないからね?行くよ薫風」



その後のことを私は覚えていない



これから起こることも


私は知らない






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