中毒な彼

振り返るとクラス一可愛いと言われてる天野 静香ちゃんだった。

「何？」

あまり喋ったことがなかったから、不思議に思った。

「あの・・・大和君についてちょっと聞きたいんやけど・・・」

大和？何で？

「あ・・・・うん。何でも聞いて。」

「操ちゃんって大和君と付き合ってるん？」

「はっ？」

意外な質問に開いた口が塞がらない。

「いや・・・付き合ってないけど・・・・。」

「本間に？」

「本間に・・・。」

そう言った直後、静香ちゃんはほっとしたように息をついた。

「何でそんなこと聞くん？・・・・もしかして・・・静香ちゃんって大和こと好きなん？」

そう言うと静香ちゃんの顔が一気に赤くなった。

「いや・・・うちは、別に大和君が好きとかそんなんじゃなくて・・・。」

「隠さんでもええよ！ええよ！もう分かってるから！しっかし、大和もこんな可愛い子に好かれるなんて幸せもんやわ！」

「そんなん・・・うち、全然可愛いくないよ。操ちゃんに比べたら・・・・・。」

「・・・はぁー！」

その言葉に耳を疑った。

「絶対ありえへん！うちが静香ちゃんより可愛い？？無いわ〜絶対無い。そんなこと言ったぐらいならバチ当たる。」

「だって、大和君は操ちゃんにしか眼中にないやん・・・操ちゃんよりも可愛いかったら少しは眼中に入ってるはずやし・・・」

「大和がうちにしか眼中にない！？そなアホな！？絶対ありえん。ってか、何で眼中に無いとか言うの？」

「・・・・・だって、大和君に喋りかけても操ちゃんばっかり見てて気いついてくれへんことが多かったから・・・・。」

「・・・・・・。嘘や〜絶対違うもんを見てたんやて。大和がうちのこと見るわけないやん！」

「本間やって！視線の先を見たら、いっつも操ちゃんがいてるんやもん・・・・・。」

「紗恵かもしれへんで・・・・・。」

「・・・・・紗恵ちゃんは違うと思う。」

「なんで？」

「操ちゃんと喋ってる時の大和君の顔と紗恵ちゃんと喋ってる時の顔が全然違うねん！」

「んなアホな。」

「いつまでかかってんねん。」

「えっ？」

突然、声のした方に向くと、呆れた顔をした大和がいた。