ココア
おねえさんは、
仕事帰りなんだろうか?
肩から、大きなトートバッグを
はずし、おもむろに、
工務店の人が着てそうな
ジャンパーを脱ぎ、無造作に
鞄にその上着を被せる。
鞄におさまりきらない
筒状の紙がフランスパン
みたいにみえる。
・・・おなか空いたな・・・
彼女は、首を数回くるくる
回して、再び鞄を肩にかけ、
こちらに向かって歩きだす。
正しくは、
里奈ちゃん先生の教室へ・・・
なんだけど。
タバコの灰を灰皿に落していた
堂野先生が、おねえさんの
通過した後をみて、
優しい表情で、
クスッて、笑った。
先生の視線の先を追う。
「!!」
鷹尾センセーーーーーー