ココア
「啓太。」
何となく、
啓太の名前を呼んだ。
啓太は、いつ、
気づいたんだろう?
「七海、俺達、
『先生想い』だって
思わない?」
ニンマリ笑う啓太がいて。
やっぱ、啓太が、
さっき、いいたかったのは、
この事なんだ。
「なんだ、お前たちも
知ってたの?」
クスクス楽しげに笑う声が
アタマの上から降ってきて
見上げれば、堂野先生が、
あたしたちを見ていた。
「まあ、俺はね。」
ーー七海は、どうだかなーーー
ちょっと、自慢げな啓太が
コッチをみて笑む。
「せんせ、あたしたち
今年、さっきの
『エロいおねえさん』と
やるんだから、
横取り、しないでよね。」
今年のイベントの
オーディションに思いを
はせて、宣誓布告する。
「さぁなあー。」
これだけは、ご縁だからねぇ
なんて、ジジむさい台詞を
吐きつつ
先生は、フッと笑みを
浮かべた。