加納欄の昔 シリーズ22 シーズン3
と、答え。

「ただ……」

と、付け加えた。

「ただ、なんだよ」

「頭ごなしに怒鳴られて、見に覚えのない責任なすりつけられていた時は……」

「言い返してやりゃよかったじゃん」

「はい。そうしてました」

「??!!」

「間違えてると思ったことに対しては、とことん反論してて……」

「…………」

「初日に、蹴り、入れちゃったんです」

「???」

「交わせるスピードのはずだったんですけど。モロ入っちゃったんです」

「お前なぁ」

「今思えば、若気の至り……」

「なんねぇよ」

「でも!」

「でも、じゃねぇ」

「だって!!」

「だって、じゃねぇ」

「容疑者の奥さんを、許可無く囮にして、怪我させて入院させて、全て私のせいにしたんですよ?せめて、打ち合わせしてくれてれば、動きようもあるのに、私知らなくて、全然違う場所で聞き込みしてたのに。署に戻って来たら、五島さんに、突然攻め立てられたんです」

「ま、槍玉に上げられたんだな」

「大山先輩だって、反論するでしょ?」

「しても、暴力は奮わないぜ。自分の手で、事件解決さ」

「しましたよ」

「ん?」

「自分の手で、事件片付けましたよ。五島さんに、犯人突き付けて、引き渡して、で、1発入れたんです。気合い入れ直して貰う意味も含めて」

「……お前なぁ」

大山先輩は、そりゃあ根に持たれるわ。と、言いたげな顔をみせた。

そして。

「俺にすんなよ」

と、耳元で囁くと、首筋に軽くキスをした。


(@_@)!!!!


あたしは、突然の出来事に腰が抜け、ペタンと通路に座ってしまった。

「お、大山先輩っ!!」

「今のは、昼飯代だ」

と、言うと、大山先輩は、あたしを見捨てて、歩いて行ってしまった。


ちょっと!!


昼飯代って!


さっき払うって、言いましたよねぇ??


「大山先輩!」

あたしは、さっさと歩いて行った、大山先輩の背中に言葉をぶつけたが、大山先輩は立ち止まるどころか、振り向こうとすらしなかった。


まぁさぁかぁ(−_−#)


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