追いかけて~恋の行方
「レイ、ちょっと、ボール、貸してみろ」

麗からボールを奪い、俺はボールを軽く蹴り上げる。

ポン、ポン、ポン、ポン……

ポン、ポン、ポン、ポン……

「基本はだな、利き脚の甲でボールを受けること。インステップリフティングだ。習ったろ?むやみに蹴るんじゃない」

ポン、ポン、ポン、ポン…

麗はじっと俺の足元をみつめている。

「ほら、やってみろ」

「ハイ!」

頬を僅かに上気させ、キラキラとした瞳でボールを見つめ、俺に倣ってボールを蹴り上げる。

そんなに急に上手くなるわけはないというものの、その真剣さが見えて可愛くなる。

「おう、いいぞ、その調子。そうだ、ボールは上に真っ直ぐ上げろ」
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