追いかけて~恋の行方
「あっ、アック~ン」

あたしは遥か彼方の大橋のたもとに、アックンの姿を見つけて手を振った。

土手を真っ直ぐにアックン目指して駆けていく。

嗚呼、今日も気持ちがいい。

練習日和だな。

「おっ、レイ、今日も元気だな」

アックンが優しく笑う。

「ね、見て見て、リフティング練習したんだ」

「どれどれ、やってみろ」

土手を駆け下りて、大橋の下の空き地で練習の成果を披露する。

ポン、ポン、ポン、ポン……

ポン、ポン……

「おっ、凄いな。6回はいけるぞ。凄い進歩だな」

「でしょう! 毎日、早起きして練習したんだよ~」

あたしは得意げに、エッヘンと胸を張った。
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