追いかけて~恋の行方
「ね、これなんかどうかな?」

渚が俺のところに、いくつか指輪をもってきた。

「あら、ナギサちゃん、いいじゃない、さすが目が肥えてるわね」

その指輪を覗き込むなり、彼女がそう褒めた。

えっ、何だ、この人、渚の知り合いか?

俺のギョッとした様子に気が付いたのか、彼女は

「申し遅れました。あたし、ナギサちゃんのイトコの美里です。宜しくね」

そう言って、柔らかく笑った。

「彼女は父さんのお姉さんの子どもなの」

と、渚が続けて説明する。

「歳が離れてるから、小さい頃はめったに遊んだりしなかったんだけど、最近彼女がこのお店を開いてから、友達と良く来るんだ」

と、なんだか申し訳なさそうに付け足した。

「これになさいよ、これなら男の子でも恥ずかしくないデザインだし。文字もキッチリ入れられるから」

渚と美里さんが選んだのは、シルバーに細いカッティングでラインが数本入ったシンプルなものだった。

「じゃ、裏に刻む文字を選んでもらおうかな」

そう言って差し出された紙には、アルファベットを並べた文字がいくつも記されていた。
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