追いかけて~恋の行方
◆男の優しさ
「あれ? もしかして高田くん?」
俺はさすがに名前を呼ばれて振り向いた。
さっきから、色んな女が色目を使って俺に声をかけてきて、そろそろこんな状況に辟易していた時だった。
「あ? 誰?」
ちょっとムッとして振り向くと、そこには、先日とは打って変って、女らしい装いの渚ちゃんが立っていた。
春らしいブルーのフェミニンな花柄のスカートにちょっと胸元の開いたカットソー、ベージュのジャケットを羽織って、足元のブルーのロファーがちょっぴりカジュアルさを添えている。
俺はサングラスを外すと、できるだけ普通に、彼女に向かって声をかけた。
「なんか、雰囲気違うね、もしかしてシノブとデート?」
俺の問いかけに、彼女は少し頬を赤らめて、
「うん、あのね、こないだの返事なんだけど……」
と俯きがちに言葉を繋ごうとする。
「あ、シノブから聞いたよ。付き合うことにしたんでしょ。良かったね」
俺もてるから気にしないで、と笑って誤魔化した。
「おい、敦、なにやってんだ」
聞きなれた声に振り向けば、今度は怖い顔した忍の顔が、俺の鼻先近くまでドアップで迫ってきていた。
「何って、きっちり断られただけ」
俺はヘラヘラと笑ってさらりと受け流す。
「あぁ、あれね」
「そうだよ、あれ」
わかってんなら聞くなよ。
俺はさすがに名前を呼ばれて振り向いた。
さっきから、色んな女が色目を使って俺に声をかけてきて、そろそろこんな状況に辟易していた時だった。
「あ? 誰?」
ちょっとムッとして振り向くと、そこには、先日とは打って変って、女らしい装いの渚ちゃんが立っていた。
春らしいブルーのフェミニンな花柄のスカートにちょっと胸元の開いたカットソー、ベージュのジャケットを羽織って、足元のブルーのロファーがちょっぴりカジュアルさを添えている。
俺はサングラスを外すと、できるだけ普通に、彼女に向かって声をかけた。
「なんか、雰囲気違うね、もしかしてシノブとデート?」
俺の問いかけに、彼女は少し頬を赤らめて、
「うん、あのね、こないだの返事なんだけど……」
と俯きがちに言葉を繋ごうとする。
「あ、シノブから聞いたよ。付き合うことにしたんでしょ。良かったね」
俺もてるから気にしないで、と笑って誤魔化した。
「おい、敦、なにやってんだ」
聞きなれた声に振り向けば、今度は怖い顔した忍の顔が、俺の鼻先近くまでドアップで迫ってきていた。
「何って、きっちり断られただけ」
俺はヘラヘラと笑ってさらりと受け流す。
「あぁ、あれね」
「そうだよ、あれ」
わかってんなら聞くなよ。