追いかけて~恋の行方
俺達は、手を繋ぎ、駅への道をゆっくりと引き返していた。

一から、仕切り直しだ。

「だから、俺は私服の時はサングラスかけてるの」

俺はポケットから、サングラスを取り出してかけ、きっちり麗に向き合った。

「なんか、私服だとジロジロ見られてやなんだよね。だから、これかけて、向こうがわかんねえぇように、睨んでやんだよ」

アックン括弧イイからね、と麗がすっかり慣れた様子で俺を覗き込む。

「でも、あたしはいつものアックンが好き」

フフッと笑って、麗が俺の腕にしがみ付いてくる。

「サッカーしてるアックンがもっと好き」

俺はそんな真っ直ぐで可愛い麗が愛しくて仕方ない。

「アイス食ってから買い物な」

「やったぁ~」

と、どこまでも無邪気な麗。

俺の中には、そんな麗を大切に守りたいと思う気持ちと、

強く抱きしめて無茶苦茶にしたいと思う気持ちが同居する。

俺、いつまで我慢できっかなぁ……

空を仰いで、心の中で呟いた。
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