追いかけて~恋の行方
デートって、こんなに楽しいものだったっけ?

美味しそうにアイスを食べる麗を眺め、その後、城西女子の面々へのホワイトデーのお返しを買いに店を回った。

まとめてキャンデーの詰め合わせで済まそうとする俺を制して、先輩女子、一人一人の名前を挙げて、それぞれにプレゼントを探す麗。

予算は一人五百円だっつぅのに、そんなの別々に選んでたら、時間の方が勿体無い。

でも、楽しかった。

麗に手を引かれ、ファンシーショップから、お菓子屋さん、文具売場にアクセサリーショップまで、麗のクルクルと動く目と楽しそうな笑顔に癒される。

「ね、これ可愛いでしょ?」

「ん? レイの方が可愛い」

もう、アックンたら真面目に選んでよぉ~と、真っ赤になって膨れる麗。

八人分のプレゼントが揃ったのは、もう六時も近かった。

「じゃ、最後はレイのな」

今度は俺が麗の手を引き、目指す店へと足を速める。

そこは小さなアクセサリーショップ『Pledge』。

何度か元カノに連れられて来た店。

でも、俺が彼女を連れて来たのは初めてだ。

俺が麗にあげたいのは、ここのオリジナルのプレート型ペンダント。

きっと男前の麗に良く似合う。
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