追いかけて~恋の行方
『Pledge』を出たあと、城西女子達へのプレゼントに名前のカードを付けるため、ドーナッツ店に入って小一時間。
見上げた時計は八時近かった。
カードに名前を書くのは、男の字じゃなきゃ不味いって、麗が言い張るから仕方なく。
まぁ、確かに、麗に書かせる訳にもいかんしな。
「結構遅くなっちまったな。お前、一本家に電話いれとけ」
「うん」
と素直に頷いて、麗が携帯を開く。
「あ、ママ? うん。うん。わかった。大丈夫、アックンに送ってもらうから」
短いやり取りで会話を終えた麗。
「大丈夫だった?」
「え、あ、うん。ママはそういうとこ理解あるから。でも、もうご飯の用意出来てるから早く帰ってきなさいって」
「あ~、そういえば、俺、さっき、お前のお袋さんに会ったわ」
「ほんと?」
「あ~、お前んち行ったから」
「いつ?」
「いつって、お前が待ち合わせに来ないから、家に隠れてんのかと思ってさ」
「やだぁ~アックンたら、ストーカーみたい」
無邪気に笑う麗には、微塵も涙の跡は見えなくて、
「お前のせいだろ、この馬鹿が」
と、俺は麗の頭をコツンと叩いた。
見上げた時計は八時近かった。
カードに名前を書くのは、男の字じゃなきゃ不味いって、麗が言い張るから仕方なく。
まぁ、確かに、麗に書かせる訳にもいかんしな。
「結構遅くなっちまったな。お前、一本家に電話いれとけ」
「うん」
と素直に頷いて、麗が携帯を開く。
「あ、ママ? うん。うん。わかった。大丈夫、アックンに送ってもらうから」
短いやり取りで会話を終えた麗。
「大丈夫だった?」
「え、あ、うん。ママはそういうとこ理解あるから。でも、もうご飯の用意出来てるから早く帰ってきなさいって」
「あ~、そういえば、俺、さっき、お前のお袋さんに会ったわ」
「ほんと?」
「あ~、お前んち行ったから」
「いつ?」
「いつって、お前が待ち合わせに来ないから、家に隠れてんのかと思ってさ」
「やだぁ~アックンたら、ストーカーみたい」
無邪気に笑う麗には、微塵も涙の跡は見えなくて、
「お前のせいだろ、この馬鹿が」
と、俺は麗の頭をコツンと叩いた。