追いかけて~恋の行方
麗を送っていった玄関先で、

「あら、君、麗を見つけられたんだ、結構やるじゃない」

と、お袋さんに褒められた。

「はぁ、まぁ、いちおう、彼氏なんで……」

照れて、頭を掻く俺を横目に、

「上等、上等」

と、声高に笑うお袋さんは、そりゃもう男前で恐縮した。

「アックンは優しいんだよ」

と、無邪気に笑う麗に向かって、

「男の優しさには、下心あり、だよ麗」

と、きっちり釘をさされて、俺は内心ギクリとする。

「まぁ、高田くん? だっけ? 麗をよろしくね」

と、俺に向けられた笑顔は、激マブの女神のようで、これはとても太刀打ちできそうにない。

「もちろんです」

と、直立不動で答えるので精一杯だった。

だが、ふと心に引っかかる釘が一本。

あ? ちょっと待てよ。


男の優しさって、何なんだ??
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