追いかけて～恋の行方
「ナギサちゃんはね、あたしがこのお店を開いてから、随分何人もペアリングを作りたいって友達をここに連れてきてくれたの。
いつも、そんな友達を羨ましそうに眺めてた。
でもね、みんながみんな幸せになるわけじゃない。
ペアリングをはめたって、壊れる恋もある。
当然だけどね。

指輪はね、付ければいいってものじゃないの。

付けるにはそれ相応の覚悟がいるのよ。

だから、ナギサちゃんは、その言葉を選んだ。

シノブくん、君はナギサちゃんが、その誓いに込めた気持ちがわかるかな？」

突然の説教染みた物言いに、多少の戸惑いを感じながら、俺は静かに頷いた。



いつまでも、俺を想い、結ばれていたい……



神に誓った、渚の祈り。

「わかってます。わかってるつもりです。俺も同じ気持ちだから」

突然ぱぁっと顔を赤らめて、美里さんが呟いた。

「野暮だったかな、当てられちゃった……」

その時、「ちわぁ～」とヘラヘラ笑顔のあいつが店に入ってきた。
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