追いかけて~恋の行方
「シノブくんとナギサちゃんの指輪に刻まれた言葉と、高田くんがペンダントに刻んだ言葉、イニシャルは違うけど同じなの」

「まさかアツシ、お前、それをナギサにやるつもりじゃねぇよな!」

いきなり振り向いた、忍の顔がマジ怖ぇ~

「違うよ、これはレイにやんの」

だが、俺は冷静を装いサラリと答える。

「レイ? 誰だそいつ」

「宮古麗、城西の一年」

「あぁ、お前に告った例のあの娘か」

「そうだよ、そのレイ」

「なんだ、やっぱり、お前達付き合うことにしたんだ」

「ま、まぁな……」

「水臭いな、俺にはちゃんと教えろよ」

「あぁ、まぁ、すまん。なんかタイミング悪くて」

「まあ、気にすんな。そんだけ本気ってことだろ」

忍がわかったように、優しく笑った。

そうだよ、マジで本気なんだ。

柄にもなく、レイのことを話すと照れちまったたりする。

俺は恥ずかしくなって、頭をポリポリと掻いた。
< 168 / 171 >

この作品をシェア

pagetop