追いかけて~恋の行方
「気が向いた時に呼びつけて、キスして、
その…抱こうとするなんて…
なんかあたし、忍の慰み者みたいじゃない…」

「でも、好きって言われたんでしょ?」

「うん、『好き』とは言われたかな…でもさぁ、あたしって忍の何なんだろう…」

あたしは胸がキュウッと痛くなって、言葉に詰まる。

「まぁね、ナギサの気持ちもわかるよ。
やっぱり、女としてはきっちり言って欲しいよね。
『彼女になって』とか『付き合って』とかさ」

そうだよ舞、わかってくれてるんだよね、本当は。

「うん」

あたしは力なく頷いた。
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