追いかけて~恋の行方
「ちわ~シノブ?」

玄関で渚の声がした。

「上だよ、上。俺の部屋」

「ったく、なんだよ、呼びつけて、何様だよ」

ブツブツと文句を言いながら、渚が階段を上がってくる。

開け放たれた部屋の入口に、少しむくれた渚が姿を現した。

「話ってなに?」

「まぁ、座れよ」

俺は腰掛けたベットの横をポンポンと叩いた。

「へんなことしないでよ」

「っ……て、なんだよそれ?」

俺は頭に上る血を抑えることがでず、そまま勢いで立ち上がると、大またで渚に近づきその腕を有無を言わさず掴んだ。

「アツシにキスされただろ?」

「えっ? な、なんで……」

渚が咄嗟に顔をそらし、ほんのりと頬を赤らめた。
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