My fair Lady~マイフェアレディ~
「まっぶし~」

呟くカイトを見上げる。カイトの身柄はガッシリとしていて筋肉質だ。自分とは正反対。
身長もカイトのヘソの辺りだ。まぁ、6つも違うのだから当然といえば当然だ。
カイトはこんな年下の俺にも平等に接してくれる。それが彼のいいところだ。
俺はどうも同い年の子供とは会話が合わない。彼と居すぎたせいなのか、それとも元々子供らしさに欠けているのか、どうもあのテンションについていけないのだ。

「そういや、ユウ知ってっか?」

大通りを歩いていると、カイトは世間話を初めた。

「何が?」

「ほら、あの事件だよ」

俺はカイトの言葉に首を傾げた。まだ、この街には最近来るようになったばかりだし、そこまで街の変化に敏感になれないでいるのだ。

「あ~ほら。あの連続バラバラ殺人の」

「あ~…」

聞いた事くらいはあった。肉や、野菜をくれるおばさんや若い子達が噂をしていたのを思い出す。
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