My fair Lady~マイフェアレディ~

「でも、何でそんな事をするんだろう…」

俺は素朴な疑問を口にした。カイトも同じように頷いていた。

「ああ、目的はわからないみたいだぜ。殺された奴らに共通点が何にもないんだ。住んでる場所も仕事も全然違う。だからこれは無差別な殺人事件として取り扱っているらしい。」

その話を聞いてますます、俺はその犯人に疑問を持った。
人を殺す事がそんなに楽しいのだろうか?理解できない。

「目撃者とかもいないんだ?」

バラバラ殺人だなんて派手な事しておいて目撃者が誰もいないだなんて出来すぎた話じゃないだろうか。

「いや、一人だけいるにはいるんだが…それが薬物中毒者でな。しかもそん時酒飲んでたらしくて本当かどうか当てにならないらしんだ」

「どんなの?」


「“黒い死神”だってよ」


ドクン!!っと心臓が高鳴った。そして、その一瞬に見えたのが…彼の姿だった。


「ユウ…?」

カイトの声にハッとする。

「な、なんでもないよ」

「そうか?なんかすっげぇ、顔色悪いぞ…?」

「そんな事…」






何故、今俺は彼の姿を思い浮かべたのだろう。






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