My fair Lady～マイフェアレディ～

また頭上から声が聞こえてハッとした。いつの間にか俺は脂汗を掻いて、両手で頭を抱えていた。
目の前の男を見ると、手には湯気が立つ少し深めの大きなお皿を持っていた。

「大丈夫か？」

「……へーき」

「…食えるか？」

彼はまたしゃがんでハンカチを取り出して俺の顔を拭いた。俺は拭かれながら彼の言葉に頷き。スープの入った皿を受け取った。

「コンソメスープだ。胃に何も入ってないんだろう？いきなり固形物はよくないからな」

俺には皿もスプーンも少し大きすぎた。でも彼がお皿を支えてくれたから飲みにくくはなかった。
ふーふーしながら一口飲んだらまるで吸い込まれるように喉を通った。

「…おいしい」

「そうか」

彼は微笑んで俺の頭を撫でた。少し嬉しそうだ。

俺は夢中でスープを飲んだ。あんなに多く感じたのにあっと言う間に全て飲んでしまった。
彼は食器をテーブルに置き、布巾で俺の口を拭った。

「まだ何か欲しいものはないか？」

俺は首を振ると彼は「そうか」といって食器を片付けようとしていた。俺はそんな彼に声をかける。


「ロード…どうして俺を連れて来たの？」