My fair Lady~マイフェアレディ~

俺は頭を上げた。
シャランッ…という音と男の顔が唖然として次第に目を見開き青ざめていくのをスローモーションのように見た。



「そ、それは…!!」


ガタガタと異常な程に体が震えている。そして俺を指差した。その手もありえない程に揺れている。


「おじ…さん…?」


俺の呟きは男に届かない。

「うぎゃああああああ!!!」

男は奇声を上げながらズリズリと後ろに下がった。

「な、何?!」

俺は慌てて立ち上がった。男はゴクリと生唾を飲み込んでいた。

「や、やらなきゃ…」

「え?」

男はガクガクと震えてる足で立とうとしている。

「やらなきゃ…やらなきゃ…」

「何、言って…」

男は狂ったようにブツブツと言葉を吐き出す…。

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