My fair Lady~マイフェアレディ~
キュッとカイトのズボンを握った。それにカイトがピクンと反応する。

「どうした?」

カイトの微笑みはとても優しい。
全てを、打ち明けてしまいたい…。でも言えない。

まだどこかで否定している。彼をまだ信じている。

黙ったままの俺にカイトは少し困ったように笑った。
申し訳なくて俺は起き上がる。
でも、カイトは俺をヒョイと持ち上げて膝に座らされた。そしてポスンと顎を俺の頭に乗せた。

「いいんだよ。辛かったら辛いって言って。言いたくないなら言わなくていいし。泣い
てもずっと傍にいるからさ」

照れくさそうに言うカイト。


やっぱり、俺って子供なんだなぁ。と思う。
けど、今は子供でいたい。


わからないって泣いて。
嫌だって駄々をこねて。
認めたくないって。


泣き付いて、バカみたいに甘えていたい。



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