My fair Lady~マイフェアレディ~
お腹がいっぱいになった俺達は、食後の散歩に出た。

外は少し肌寒かった。
隣を歩くカイトの体温が心地いい。女の子達が擦れ違うと、カイトに手を振ったり声をかけたりしている。

以外にカイトはモテる。爽やかで性格もいいんだから当然かな?
俺はおばちゃんによく声を掛けられる。
彼の隣を歩くと嫌でも目立ってしまうのだから仕方ない。
俺を理由に彼に近づきたいのだ。と子供ながらにわかっていたので俺はいつも苦笑いだった。

カイトと巡る街並みは思い出が溢れるほど詰まっていた。

思い出すのはどれも笑顔で。幸せで。とても切なくなった。

ツンと痛くなる鼻を擦って誤魔化す。「風邪引いた?」と聞いて来るカイトに首を振り、俺達はまたバーに戻ってきた。


カイトの部屋で紅茶を飲みながら沢山会話した。カイトの部屋は二階で、下ではリリーさんがバーのママをしている。

< 213 / 509 >

この作品をシェア

pagetop