My fair Lady~マイフェアレディ~
挨拶もそこそこに、リリーさん達と別れた後。
俺は彼に手を引かれながら車を置いてある場所まで歩いていく。

「ネオは…?」

「家にいる」

「…そう」

俺はそれ以上何も言わなかった。彼はチラリと俺を見てまた言葉を溢す。

「心配したんだぞ」

「ごめん…なさい」

あんな事があって出て行かない奴なんていないよ…なんて心で呟いて、俺は素直に謝った。

「街には行かないとも約束しただろ」

ぎゅっと強く、握る力が強まった。

「パパン……怒ってる…?」

「ああ」

ゾクリと背筋が凍る思いをした。
直感だ。幼い頃に感じた。


彼に逆らってはならない。



何故かわからない。
彼を本気で怒らせたら。




何かが、終わる。



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