My fair Lady~マイフェアレディ~
「……っ!!」
次の瞬間、首からじゅっと吸い上げる音が聞こえた。ズキンッと首が痛む。恐怖で足が震える。彼は俺の薄皮を吸い上げていた。チリッと鋭い痛み。泣き叫ぶ程痛いわけではないが未知の感覚に俺は彼の頭を必死で両手でどかそうとした。
だが、ピクリとも動かない。
「やだ…パパン…痛い、痛いよ…!!」
俺の講義に彼はやっと唇を離した。そしてベロリと吸った場所をなぞる様に舐めた。
「ひっ…!」
あれ、これ…どこかで…。
そうだ、初めて彼に拾われた時に…。
「いいか」
彼は静かに首を押さえる俺に向かって言った。
「これからはちゃんと、いい子にしているんだぞ?その「痕」を見るたびに思い出せ」
俺は彼の言葉にコクコクと首を縦に振った。
そうして彼はやっとにニッコリ笑った。