My fair Lady~マイフェアレディ~
ハッとして振り向いた。
真後ろに彼が立っていた。


彼はニッコリ笑ってしゃがみ込み、壁に手をついた。

「何を、していたんだ?」

俺は恐怖で壁に背を預けたままペタリと座り込んでしまった。

「お、」

「ん?」

彼の手が俺の頬を撫でる。唇が急速に乾いていった。

「音が…きこ、えて…」

「音?」

俺はコクコクと頷くと彼はまた少し考えるそぶりをして、すぐにまた笑った。

「鼠でもいるのかもな」

そして俺を抱き上げる。

「さぁ、朝食の時間だ」



そう言って地下を出ていった。


< 232 / 509 >

この作品をシェア

pagetop