My fair Lady~マイフェアレディ~
闇が満ちている。渦巻く感情が立体化していくように…いや、実際に形になってくれればどんなにいいだろうか。


彼の心も見えてしまえば、どんなに…。



だが、もう彼は俺を…守ってくれる優しい彼じゃない。


それだけは確かで、俺は膝を抱えて俯いた。
彼は朝食を食べて後、どこかに行ってしまった。


彼がいなければ。俺はあの地下には行けない。


俺は一人閉じ篭っていた。


この家には思い出が、幸せが詰まりすぎている。
俺の心を痛めつける凶器にしかならない。
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