My fair Lady~マイフェアレディ~
「どうした?ユウ」
彼は微笑みながら尋ねてくる。俺はその場で固まりながら口を動かした。
「何、作ってるの?」
「ああ、ウサギをな。」
貰ったんだ。珍しいだろう?
と言う彼の言葉が遠くで聞こえた。頭の中では可愛らしいウサギの姿が思い浮かぶ。
まな板の赤から目が離せない。
「そんなに腹が空いたのか?」
笑いながら聞いて来る彼に俺はフルフルと首を振る。
「ううん、……パパン」
「なんだ?」
「俺の、クマ知らない?」
「ああ、それなら…」