My fair Lady~マイフェアレディ~
彼の手がゆっくり動き、指差す。ぴちゃんっと床に一滴の赤い滴が落ちる。

「朝、洗ったんだ。外にあるはずだぞ。ああ、でもまだ乾いてないから持ってきちゃダメだぞ」

「……そっか」

「悪いな」

「ううん」


短く、会話を終わらせて俺は逃げるようにキッチンを出た。
外の空気を吸いたくて、俺は玄関を開ける。

クマは白い椅子に座らされていた。

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