My fair Lady~マイフェアレディ~
……ん?
と俺はピタリと身柄と思考が停止した。

「……あれ…?」

「どうした?ユウ」

俺の頬に変な汗が流れた。六年前って。俺が…拾われた時なんじゃ…。
ゾクリと悪寒が走る。

「ねぇ、カイト」

「何?」

「初め殺された人覚えてる?」

「ああ、有名だぜ」

カイトは得意のニカリと笑う顔で答えた。それが俺にはとても遠くの映像のように思えた。

「髪は金髪に近いかなぁ。んで目の色はユウくらい?みっじかい髪でぇ…えーとすっげ
ぇ筋肉質だったような…薄い格好してたって話だし…ごめんあんま覚えてねえや…」

「………」

「ユウ?」

「ううん。何でもない…」

耳の辺りがザワリと何かを感じてジワジワと熱を持っていた。その熱が眼球に集まって鈍い痛みが発した。
俺の脳内に浮かぶのは…あの笑顔とごつごつした大好きな大きな手…。


「話を続けて」


俺は歯を食いしばった。まだ。決まってなんかいない。まだ。まだ、完全にそうだとは決まってない…!

曖昧な情報なんだ。こんな所でくじけてたまるか…!

俺はキリッとカイトに向き直った。カイトはそれを合図に話を進めた。

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