My fair Lady~マイフェアレディ~
「あとは、どうも…警察が何か隠しているようなんだ」
「警察が?」
「ああ、悪いな。俺中々店を離れられなくて警察まで聞き込みに行けなかったんだ…」
しょんぼりと肩を落とすカイトに俺は慌てて首を振った。
「ううん!カイトのおかげでここまでわかったんだもん!充分だよ。それに警察には俺が直接行くよ!」
カイトはまだ不満そうな顔をしていたけれど。こればっかりは仕方が無い。
カイトも危険な事をしているのをリリーさんに隠しているのだろう。
いくら親友のためでもリリーさんは許さないだろう。
俺も、甘えてなんかいられない。
「じゃあ、俺今日は戻るね。明日は警察行ってみる」
「おう、気をつけて帰れよ。時間あったら俺んとこ寄ってくれ」
「わかったありがとう!」
俺は昨日と同じように家に帰った。
馬をそっと返して、家に向う。
ネオードはここ三日くらいはずっと忙しいはずだ。後は彼の行動だけ。
俺が家に入ると彼が中にいた。
「あれ、パパン。今日早いね」
俺は気付かれないようになるだけ普通に話しかける。
「そうか?ちょっと、買いたいものがあっただけだからなぁ」
「何を買ったの?」
何気なく聞いた質問に彼はにんまりと笑った。
「なんだと思う?」
「わ、わかんないよ~」
俺は変に声が上がってしまう。それでも必死に平然としてみせた。
彼はトントンとまな板の上で料理をしている。
「そうだ。ユウ」
「なぁに?」
背中を向けたまま彼は俺に話しかける。俺はクマのぬいぐるみを抱えてソファーに座ろうとしていた。
「今日、どこに行ってた?」
ピタリと動きが止まり、思わずバッと彼を見てしまった。