My fair Lady~マイフェアレディ~
しかし、彼はやはり背を向けたまま料理をしていた。

「ネオードの所行くって…言ったでしょ?」

「ネオードの所へ行った後は?」

どくん、どくん、と心臓が鳴り始めた。焦りが積もり脳が思考を落ち着かせようと涙を
溜めさせる。

「え~…ランに乗ってそこらへん走り回ってただけだからなぁ~どことかは…」

俺は曖昧に答えた。彼が、振り向かないのが唯一の救いだった。
目が合った瞬間に絶対全てバレてしまうだろう。

「…そうか」

彼は納得したのか、そのまま無言で料理を再開した。








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