My fair Lady~マイフェアレディ~
「その。俺バラバラ殺人について知りたいんです」
ピクリとおじさんが反応した。
「おじさん、俺にそれを聞いたのって連続殺人の犯人と俺を襲った奴は違うと思ったから。そうじゃないですか?」
俺の言葉におじさんはとても真剣な顔つきになった。
「警察は何か隠してるそうですね…お願いです。どうかそれを俺に教えてください」
「君は。…君は隠すってどういう事かわかるかい?」
おじさんの静かな言葉に俺は勢いをなくして前に倒れかかった身柄を元に戻した。
「不安を与えないように速やかに解決するためだよ。本当は全部真実を伝えなければならないのにだ。そんな簡単に話せると思うのかい?」
俺は押し黙って俯いた。でもだからと言って引き下がれない。
「百も承知です。どうかお願いします。俺には大切な事なんです。」
まっすぐにおじさんを見た。おじさんも俺をじっと見ていた。しばらく沈黙が続いて。
おじさんはフッと笑った。
「いい目だね。そしてなんともタイミングがいい事にここは密室で防音だったりするんだよね~?」
おじさんはチラリと俺を見てウィンクをした。
俺は途端に笑顔になる。
「ありがとうございます!!」
「おいおい、でも全部は流石に話せないよ。というか知らない事の方が多いし。あと、他にバラさない事。いいね?」
「はい!」
俺が元気よく頷くとおじさんは満足そうに笑った。
だが、すぐに真剣な顔になる。
「僕が知っている事は本当に少ない。えっと何で犯人じゃないかだっけ?それはね…」
おじさんはチラリと俺を見た。瞬間俺は話の内容を予測した。カイトがよく俺に凄くグロい話をし出す時こういう顔をするのだ。
「平気です」と小さく口にしておじさんは頷いて話をし出した。