My fair Lady～マイフェアレディ～

俺は一応、カイトのとこに顔を出そうと店に向った。
すると、丁度前方からカイトの姿が見えて来た。

「よ！ユウ」

「カイト、どうしてこんな所に」

カイトは照れたように笑って頭をかくと「心配で…」とごにょごにょと答えた。
俺も少し照れて「も～」と言いつつ内心嬉しくてカイトの隣をゆったりと歩き始めた。

「どうだった？なんかわかった？」

「うん。俺の手当てをしてくれた警察の人に聞いたけど。あんまり上の人じゃないから
詳しい事はわからないって…」

「そっかぁ～」

本当は結構な事がわかったのだけれど。おじさんとの約束を守るためにこう答えた。
知っていいものでも無いし。

「ユウ、明日もここ来れる？」

唐突にカイトは立ち止まって俺にキラキラとした目を向けて言った。俺はびっくりしておもわず「え、……う、うん」と頷いてしまった。

「じゃあさ！警察の隣の店で待ち合わせ！約束だぜ！」

「…わかったけど。一体なんなの？」

「いいから。いいから。つか、お前今日いつもより帰り遅くないか？大丈夫なのか？」

俺はハッとして飛び上がった。

「いっけない！ゴメン！俺行くね！！」

俺は返事も聞かずに駆け出す。カイトは気にした様子もなく「また明日な～～！！」と大声で見送ってくれた。