My fair Lady~マイフェアレディ~
「カイト!?」
俺がその名前を叫ぶとその背中の男は振り向いた。
「お!ユウ!!早かったな!」
ニカッといつもの笑顔を向けるカイト。目の前にいた人物は「ほんとに頼むぞ!」と言ってさっさとどこかへ行ってしまった。
その人物がいなくなると、俺はカイトに駆け寄った。
「なんかあったの?!」
「いや~ちょっとなぁ」
カイトは苦笑いしながら俺に説明した。
「あいつ、警察の奴でさ。結婚してるんだけど。実は俺仕事中に浮気してんの見ちゃってて。それを利用して情報収集~」
ニヤッと悪戯っ子のように笑うカイトに俺は少し呆れた。
「そんな事して…恨まれるよ…?」
「だ~いじょうぶ。こう見えて仲はいいから」
太陽のような明るい微笑みは、本当に大丈夫だと思わせてくれるから不思議だ。
「んじゃさっそく手に入れたネタだ…けど。結構グロイぞ?」
「平気。教えて。」
俺がグッとカイト顔に近づいて言うと。カイトは笑いながら頷いた。