My fair Lady~マイフェアレディ~
「共通点が、何かを食ってるって言ったろ?」
「うん」
「あれが何かわかった」
本当?っと俺が驚いていると、カイトは苦虫を噛み潰したような顔をした。
「ああ、それは…遺体の肉だ」
「ぇ……」
思わず顔が引きつった。だが、直ぐに引き締める。
「肉や内臓が無くなってるらしいんだが。その一部が被害者の口に入れられていた。だが、明らかにそれでは足りていないらしい。残りの臓器物、肉類は不明みたいだ」
引き千切った己の肉を食わされるなんて…なんて惨い事を…。
俺は目を堅く瞑って被害者を想った。
「あと、中には行方不明者もいるらしいが、それはこの事件と関わっているかわからない。だが、事件の起こった時期が近いんだ。」
俺はふむと、カイトが言った言葉を頭に詰めた。カイトは「結局これくらいしか警察もわかってねーみたいだ」と両手を頭の後ろでクロスさせて伸び上がった。
「ううん、助かった。ありがとう」
そう俺が言うとカイトは照れたように笑い、「あ!」と言って言葉を足した。
「そうそう。一番初めの被害者のとこに犯人のメッセージがあったんだった!」
「え?!」
一番重要じゃん!と言うとカイトは「だってわけわかんねーんだもん」と口を尖らせた。
「犯人のメッセージは『生贄の女』だぜ」
俺もそれには首を傾げた。