My fair Lady~マイフェアレディ~
ここまで思い出した瞬間俺はいきなり腕を誰かに掴まれた。
そして暗い路地に一瞬にして連れ込まれてダンッという強い衝撃と背中の痛みに、壁に叩きつけられた事を理解した。
俺は、(また…!?)と強張る顔を上げた。
そして。今までとは比にならないくらいの。
最高潮の恐怖を味わった。
「ユウ」
真っ黒な上下のスーツ。ボルサリーノハットの黒帽子。
「どうして、お前はここにいる?」
ニタリと笑う悪魔のようなその顔。
「ぁ…あ……あ…」
声すら出す事が出来ずに俺はストンと腰を抜かして地べたにへたり込んで震えた。
ガタガタと震える俺に彼は相変わらずの笑顔で言う。