My fair Lady~マイフェアレディ~
彼はそんな俺に、それ以上何も言わずに俺を無理矢理剥がした。
嫌だと縋りつく俺を彼は冷たく足払い。部屋を出て行った。

しばらく反省していろという意味なのだろうか。

俺はそのまま床にへたり込んだまま少し拍子抜けした気分だった。

安心して、なんとかフラつく足をしかって、俺はベッドまでたどり着いた。
立とうとすると膝が笑う。一時間くらいした時にやっと普通に歩けるようになった。
彼は未だ、部屋に訪れない。

俺は部屋をウロウロしていると、ふと。夜中の出来事を思い出した。


正直、これ以上事態が悪くなるように思えない。

今、充分に最悪な位置にいるはずだ。さっきは答えなかったけど彼は大方の検討はついているのだろう。

だったら。と俺は彼の立っていた位置に向った。
一応、音で場所を確認する。



そして
壁に手を当てた。


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