My fair Lady~マイフェアレディ~
掠れた声を吐き出す。

「痛い…」

彼がきゅっと俺の身柄を抱きこむ。

「痛い……」

「大丈夫だ」

さすさすと背中を擦る。時々俺の頭に頬を寄せてあやす。

「痛い……痛い…」

彼の肩に目を押し付けた。口が思った事を言葉にしていく。ただ一言。


「痛い…痛いよ…」


大丈夫…大丈夫…と、耳元で彼が俺と同じ様に何度も何ども耳元で囁く。


痛い。痛いよ。





心が痛いよ。




< 309 / 509 >

この作品をシェア

pagetop