My fair Lady~マイフェアレディ~
「やだぁ!来ないでえ!!」
俺が頭を抱えて震えると周りの男達は嘲るように笑った。
「おい、中々楽しめそうじゃねえ?」
一人がヒヒヒッと下品に笑った。
「お前、そんな趣味か……?」
そしてもう一人が引き気味に言う。
「やめろ、苦しませず一瞬で殺せって言ってただろ」
しっかりとした声が彼らを制す。どうやらリーダーらしい。
「ばれねーよ!」
「俺はあの方を尊敬しているんだ。あの方の言葉を違えるような真似は……」
「わーった、わーった。じゃあさっさとやっちまおうぜ」
ぬっと、手が出て来て、俺はいやだ!と叫ぶ。だが、また違う男がその腕を止めた。
「待てよ!もし違ってたらどうするんだ!!」
彼らは口々に言い合っている。声と影から判断すると彼らは五人組らしい。
するとリーダーらしき人物が俺の前に出て来た。
手に何かを持っていた。それは大きなトランシーバーのような物だった。
怯える俺に男がハキハキとした言葉を吐く。
「名前は?」
突然言われた事に、反応しないでいるとさらに大きな声で「名前はっ?!」と聞かれた。
俺はビクリと身柄を跳ねさせて、震える声で答えた。
「ユ…ライア…ス…」
「ああ?!!」
「ユライアス……!!」
俺が名前を叫ぶと、彼らは混乱し始めた。