My fair Lady～マイフェアレディ～
しばらく立って、寒さにフルリと身柄を震わせた俺は、フラフラと立ち上がった。
とりあえず、誰かに助けを求めなければならない。
俺の頭にはすぐにネオードが浮かんだ。

（ネオードなら……助けてくれる……）

もちろんカイトも浮かんだが、これ以上の迷惑はかけられないし、何よりここからでは余りに遠い。こんな格好で行くわけにも行かない。

さっきみたいな奴等がいるかもしれない……。
俺は出来るだけ早く安心できる場所に行きたかったのだ。



お腹を撫でて、大丈夫か確認をすると少し鈍いペースで走り出した。

（大丈夫、ネオードの所はそんなに遠くはない……）

自分にそう言い聞かせて励まし、ペースを少しずつ上げていく。

タラタラと嫌な汗が伝った。後ろから何かに追いかけられているようだ。
俺は振り向く事をせずにただひたすらに前へと進んでいった。



見慣れた馬小屋が見えてくる。
愛馬のランが見えて、少しホッとした。


俺は扉に向うと、手で扉を強く叩いた。

ダンダンダン！！と木の扉は大きな音を鳴らす。
しばらくすると、中で音が聞こえ始めた。


「……誰だ」


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