My fair Lady~マイフェアレディ~
かたく、低い口調が、扉の向こうから聞こえてきた。
俺はその声に歓喜して勢いよくまた扉を叩き、叫んだ。

「ネオ!ネオ!俺だよ!!ねえ開けて!お願い……ッ!!」

興奮したせいか少し腹が痛んだ。
動きすぎたのかもしれない。

「ユウ……?!」

ネオードは驚いた声を出して、勢いよく扉を開けた。

「お前……どうして……?」

「ねおぉっ……」

ネオードを見てさらに安心した俺はネオードに抱きついた。

ネオードは困惑しつつも俺を優しく抱き締めてくれた。
頭を撫でながら、しゃがんで片膝を付き、俺と顔を合わせる。

ポロポロと涙を流す俺の目元を拭って「どうしたんだ?」と丁寧に聞いてきた。

ネオードはとりあえず俺を家に招き入れて俺を椅子に座らせた。

明るい場所で改めて見た俺の姿に、ネオードは眉を顰めて着ていた上着を俺の肩に被せた。

「子供用の服が無いんだ……悪いな」

「ううん」

ネオードは俺に温めたヤギのミルクを用意してくれた。俺はそれに喉を通して、少し落ち着いた。

とても温かい。


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