My fair Lady~マイフェアレディ~
俺は、あの手紙の事を思い出していた。
そしてふと、あの内容について思う。
あの時は色々テンパっていて気づかなかったがあの手紙はおかしい文章だったと思う。
相手に書いた手紙と言うよりも、自分に対する…なんていうか……。
「……日記……?」
俺はドサリと、布団を落とした。そして勢いよく机の一番下の引き出しを開ける。
バサバサと沢山の手紙。
俺はそれを掴めるだけ掴んで中身を開いた。
【今まで、見ないふりをしてきた。あいつはどんどん暗闇の中に入っていくというのに…何故こんなにも自分は無力なのか……俺は助けられたまま終わるのか?】
【食べ物を運ぶ。頼むから食べてくれと願いながら。あいつは俺の持っていったものを食べてくれる。ああ、よかった。これから毎日持っていこう。そうすればあいつは食物を食べてくれる。】
【薬草を取るのを手伝う。断る理由がない。ただ黙々と集める。表情が変らないあいつはまるで機械だ。いつか、あいつは心から笑う事が出来るのだろうか……】
紙を次から次へと読み進めた。
ネオードは知っていたの?あの姿の彼を知っていたの……?
でも止められなくて……それで……?
「ユウ、何して……?!」
俺を探しに来たのか、ネオードが部屋に入って来た。手紙に囲まれた俺を見て唖然と目を見開く。
ネオードが来ると俺は立ち上がった。