My fair Lady~マイフェアレディ~
ロードの母、ロンナはネオードの母であるフィレネにいつも付き添っていた。
フィレネは筋金入りの泣き虫で、それをいつもロンナが慰めていたのだ。

その姿をネオードの父オルドは複雑そうに見ていて、ロードの父レザートは面白そうに見ている。

というのも、こんなにも見つめている意味が違うのにはわけがある。

実は、ロードの両親は愛し合って夫婦になったわけでは無いのだ。
恋人というより、悪友と言った方が近い。


何を隠そう、ロンナが本当に愛しているのは幼馴染のフィレネだった。

だが、フィレネの方にはまったくといってそんな感情はなく、頼れる親友でしかない。

ロンナはそれ以下の存在には決してなりたくなかった。

ロンナのこの報われない恋いの相談相手がレザートだったのだ。


彼は顔が良く、大変な遊び人だったが一向に落ちないロンナに興味を持ち、いつしか仲良くなって成り行きで結婚までしてしまった。

結婚のプロポーズは『お前といると飽きなくていい』だそうだ。

丁度、その日。ロンナはフィレネから結婚する事を告げられた日だった。


そんなこんなで、泣き虫のフィレネを慰めるロンナの姿をレザートはニヤニヤと眺めて、オルドは自分のポジションを取られてしまったような複雑な気持ちで見ていたのだ。


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