My fair Lady～マイフェアレディ～
そんな事はもちろん子供達には関係ない話だ。

ロードは台所で台の上に立って、トントンと野菜を切っていた。

基本的に昼飯は食べない。貧しいわけでは無いが裕福でもない。
というよりここは森の中なので、食べ物は森で調達しなくてはならない。

森には危険が沢山あるし、どんな人物が潜んでいるかもわからない。頻繁に外に出るわけにはいかないのだ。
だから日々の食料はとても少ない。
大人はそれでいいが、子供達はまだ食べ盛りだ。
ちょっとした軽食はいつもロードが作っていた。

ロードの父は料理上手だった。なので、ロードは父に遊んでもらう代わりによく料理を教えてもらっていた。

父の腕を受け継いだロードは完璧主義の父に褒められる程の腕前を持っていた。
なので、この台所に立つのはこの家族でこの二人だけだ。

残りのメンバーは誰一人料理が出来ない。これには流石のレザートも呆れていた。

遊び人であったレザートに「そんなんでよく子供作れたな」なんて嫌味を言われても何も言い返せない。

それで一度、フィレネを泣かせてロンナにグーで殴られたのはレザートのいい思い出だ。

ロンナは見た目通りに強く逞しい性格をしていた。

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表紙・目次

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