My fair Lady~マイフェアレディ~
そういう訳で、ロードは野菜スープを作っていた。

森はとても寒いし、幼い子供のためになるべく胃に優しく温かいものを作るので、ロードの料理は大抵スープだった。

家族の誰もがロードの作るスープが大好きだったのでみんなでそれを食べる事もよくある。

特に弟のレオンは兄の作るスープが何よりも好物だった。

母や父があまり構ってはくれないので、すっかりお兄ちゃん子であるのだ。

「ロード!ロード!」

兄の名前を繰り返し言うのはもう癖なんだと思われる。ロードは優しく微笑むと「どうした?」と聞いた。

「ママンがねぇ、フィレネおばさんの分もだってぇ」

「ああ、わかった。」

よしよし、と頭を撫でるとレオンはふにゃりと笑った。

「レオーン!」

「今行くよ!」

フィルに呼ばれてレオンが走って行くのを見届けるとロードは皿にスープを盛り付けた。

「おい、ネオ!いるか?!」

「……なんだ?」

ロードに呼ばれてネオードが台所に入って来る。

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