My fair Lady~マイフェアレディ~
「いや、こいつに服をな」
「いいのをご紹介します!」
「いや、いい。ゆっくり見て回る。すまないな」
「い、いえ!」
彼女は真っ赤な顔を両手で抱えながら逃げるように去って行った。
なんだか面白くない。
彼は、また何事もなかったように服を持ったり広げたりしてみている。
時々片腕に支えられている俺に「どの色がいい?」なんて問いかけてくる。
周りは気になるが、俺は彼のように気にしないようにして服に集中した。