My fair Lady～マイフェアレディ～

子供達が寝静まった頃、大人たち四人で話し合いが始まっていた。
ロンナが代表で言う。


「今から食料を集めるのにはとても間に合わないわ。だから提案があるの。心して聞いて」

フィレネはいつも穏やかで優しい目で自分を見るロンナが今は鋭い目をしていたため、既に涙を溜めていた。そんなフィレネをオルドがしっかりと肩を抱き、支えながらロンナの話を聞いた。


「子供達を置いて私たちは山を降りるの」


その言葉に二人は耳を疑った。

「な、何を言っているんだ！君は！！」

オルドはロンナを睨むが、反応が無いためにレザートに食いかかる。

「君も同じ意見か！！」

「……」

レザートは答えない。同じ意見だと言うのだろう。
怒り狂うオルドの下でフィレネは酷く冷静に言葉を投げ掛けた。

「本気なの？ロンナ」

ロンナは真っ直ぐにフィレネを見て一度目を伏せて、もう一度開いた。