My fair Lady～マイフェアレディ～

子供達は大人たちを見送る為に家の前に並ぶ。
大人たちも並んで心配そうに子供達を見ていた。

「泣くなよママン！俺、平気だぜ？ちゃんと、フィルの面倒もみる！」

「うん……うん……」

フィレネはやっぱり泣く事を我慢できなかった。
子供達がフィレネの泣き顔に見慣れていてよかったなとレザートは心の片隅で思っていた。


ロンナは。ロードに先程の説明を繰り返して言い聞かせていた。

「いい、食べ物はなるべく残しておくの。絶対に薪を絶やしてはダメよ。燃やせるものは充分に補充しておいて。それから、何があっても無理はしない事。お前は頭がいいから……わかるわね？」


「ああ、ママン。まかせろ」


ロードがコクリと頷いて答えるとロンナも頷いて曲げた腰を元に戻した。

ロードはレザートに視線に気付いてそちらを見るとレザートは表情を変えずに「すぐに戻る」と行って先を歩き出した。

それに続くように他の大人たちも歩き出す。


そして、涙を呑んで大人たちは山を降りて行った。