My fair Lady~マイフェアレディ~
俺はしばらく納得いかない顔をしていたが、でも彼の好意に従う事にした。視線を彼から色々並ぶおもちゃに移す。
俺がクルクル回って走る乗り物のおもちゃを見ていると後ろから声がした。

「まぁ!可愛いお子さんですね!」

「あらぁ、ほんと。女の子みたいですねぇ」

「将来が楽しみねぇ」

振り向けば、いつのまにか彼は色々な女性に囲まれていた。どうやら自分を抱えている事で女性避けになっていたらしい。

彼が自分を下ろして一人になった所を狙っておばちゃん達は得意の世間話をしに彼に群がっている。


彼の視線は俺から一切外すことはない。それでも「ええ、まぁ」や「どうも」などと相槌を返している。流石である。
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